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インフルエンザQ&A

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A. インフルエンザも普通のかぜもウイルスによって引き起こされる感染症ですが、インフルエンザは普通のかぜにくらべ感染力が強く、症状も重いことから区別されています。なお、普通のかぜの症状は、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などが中心で、熱も37〜38℃ほどであり、全身症状を伴いません。
A. インフルエンザは38〜39℃の突然の発熱、頭痛や悪寒(おかん)、全身のだるさ、筋肉痛や関節痛、のどの痛みなどが主な症状であり、全身症状を示します。また、高熱や、食欲不振から水分補給が不十分になりがちなので、脱水状態にも注意が必要です。お年寄りや体力が落ちている人、慢性の病気を持っている人などでは、症状も重くなり肺炎を起こしやすくなります。一方、こどもでは熱性けいれんや肺炎、またまれに脳症(のうしょう)を引き起こすこともあります。
A. インフルエンザの診断は、今では診療の現場で検査し、すぐに結果を得ることが可能です。検査方法は、インフルエンザの疑いがある人の鼻、またはのどの粘膜を綿棒で軽くこすって採取したものを診断キットで検査します。結果が出るまでの時間はだいたい10分から15分くらいです。現在、インフルエンザには治療薬もありますので、検査結果がすばやくわかることは、大きなメリットです。特に流行時期には症状のみだけでも、70%が診断可能とされています。
A. 治療との関連から、発症後から48時間以内のインフルエンザ増殖時期に検査をする事が強く望まれます。ウイルス量は発症から24〜48時間ぐらいにピークとなり、検査の検出率も高くなりますが、発症後まもない場合は、患者さんによってはウイルス量が十分でなく、検査キットの検出限界以下となり陰性となる場合があります。なお、検査結果は万能ではなく、流行時期と症状からインフルエンザが強く疑われる際には、治療を優先することも必要です。
A. 症状や検査結果などからインフルエンザと診断された場合、インフルエンザの治療薬(抗ウイルス薬)を処方してもらえます。内服薬(5日間)、注射薬(1回注射)、粉末状の吸入薬2種類(5日間または1回のみ)があり、発症後48時間以内に薬を始めることが重要です。これにより、解熱時間の短縮に効果が期待されます。どの薬にするか主治医とよく相談してください。
A. 抗生剤(こうせいざい)は、細菌による感染症に効果を発揮する薬です。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症であり、抗生剤はインフルエンザに効果がありません。ただし、咳が長引いたり痰が続くときには、インフルエンザに引き続いて細菌性の感染を起こしている場合があります。そのときには抗生剤を処方してもらうとよいでしょう。
A. インフルエンザでは39℃以上の高熱になることもありますので、解熱剤を使用してもよいでしょう。ただし、市販の薬などを自己判断で使うのではなく、特に、お子様の場合は必ずかかりつけ医に相談しましょう。
A. インフルエンザの予防にはワクチンが有効です。ワクチンを接種することでインフルエンザへの感染、特に重症化を防ぐことができます。インフルエンザワクチンには、その年に流行すると予測されたA型とB型の不活化(ウイルスは死んでいて感染する力がない状態)されたウイルス成分が入っていて、どの型が流行しても対応することができます。インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみをすると、ウイルスが細かい霧状となって飛び散ります。それを周りの人が吸い込むと、のどや鼻に直接ウイルスがついて感染を起こします。ワクチンだけではなく、毎日の暮らしの中でできること、「手洗い」、「うがい」、「加湿」、「マスク」での予防を心がけることが大切です。
A. インフルエンザワクチンはその年に流行すると予測された成分が入っています。実際に流行したインフルエンザウイルスの種類とワクチンに含まれているウイルスの種類が一致すれば、ワクチンの効果は期待できます。しかし、インフルエンザウイルスは突然変異を起こしやすく、流行と完全に一致するワクチンを製造することは難しく、またワクチン接種の効果も個人差があります。現在のインフルエンザワクチンでは発症を完全に防ぐことはできません。ワクチンは、インフルエンザによる重症化や合併症を防ぐものと考えたほうがよいでしょう。
A. インフルエンザかなと思ったら、早めに近くの病院や医院でみてもらいましょう。インフルエンザには治療薬がありますので、発症後48時間以内に抗ウイルス薬を処方してもらうことが必要です。また、家庭では、安静にしてゆっくり休むこと、部屋をあたたかくして湿度を保つこと、外出を控え、水分補給と栄養のある食事をとるように心がけましょう。無理せずゆっくり休み、周りの人にうつさないためにも「咳エチケット」としてマスクをつけ、症状がよくなるまでは人のたくさん集まる場所や会社、学校へ行くことは控えるようにしましょう。
A. 脱水状態は高熱や下痢(げり)、嘔吐(おうと)によって起こりやすく、命に関わる場合もあるので、インフルエンザ時の水分補給はとても大切です。また脱水状態では水分だけではなく、体内の水分バランス維持の欠かせないNa(ナトリウム)やK(カリウム)などの電解質(でんかいしつ)も多く失われます。そんな時、水分と電解質の補給に有効で、これらの吸収を促進する糖質(とうしつ)もバランス良く配合した経口補水液(けいこうほすいえき)(ORS:Oral Rehydration Solution)が市販されています。これを含め、脱水への対処法はかかりつけの医師とよく相談しましょう。
A. インフルエンザは学校や職場において流行を広げる可能性が高い感染症の一つであり、特に予防が必要とされる病気です。子供の場合は熱が出た日の翌日から5日間(熱が出た日から数えると6日間)は休み、さらに長引くようなら熱が下がってから2日間を経過するまでは学校を休まなくてはなりません。ただし、症状によって医師が伝染の恐れがないと診断した場合は、学校に行くことができます。保育園・幼稚園ではもう1日多く休む必要があります。大人の場合は、ウイルスの排泄期間が子供より1〜2日短いと言われていますが、熱が下がってきちんと回復するまでは職場に行くことは控えた方がよいでしょう。
A. HはHA:ヘマグルチニン(赤血球凝集素(せっけっきゅうぎょうしゅうそ))、NはNA:ノイラミニダーゼのことでウイルスの表面に存在するものです。このHAはウイルスが細胞に吸着するときに作用し、ワクチンの主要な成分となります。一方、NAはウイルスが細胞から離れるようにする働きを持ち、この作用を防ぐ抗ウイルス薬があります。特にA型インフルエンザでは、16種類のHAと9種類のNAがあり、これらをもとに亜型(H1N1・・・など)として分類されます。
A. インフルエンザウイルスは突然変異によってウイルスの表面にあるHA(赤血球凝集素)という部分のとげのかたちが毎年少しずつ変化します。そうなると、過去に感染して作られたインフルエンザに対する抗体は、インフルエンザウイルスのHAのとげを完全に覆うことができなくなり、再度インフルエンザに感染してしまいます。
ヒトのA型のHAの種類はH1からH3までの3種類、NAはN1からN2までの2種類があります。A型インフルエンザはHとNの組み合わせで分類されていますが、B型ではHとNともに1種類のみです。また、トリには、H1からH16とN1からN9までのすべての組み合わせのインフルエンザがあり、近年これらのインフルエンザがヒトに感染した例が報告され話題になっています。
インフルエンザウイルスのもう一つの変異のしかたは、ウイルスの遺伝子同士が入れ替わること(組み換え)です。その場合は、HAのとげの変化が大きく、他の遺伝子も変わってしまうことが多く大流行をおこします。2009年に北アメリカで発生したインフルエンザ大流行はH1N1でしたが、ブタのインフルエンザで組み換えをおこしており、それまで人間では流行していないウイルスのため、多くの人が抗体を持っておらず、世界的な流行となりました(パンデミック)。インフルエンザは20〜30年に1度このような新型ウイルスが現れて世界的な大流行を起こすと言われています。
A. インフルエンザウイルスは、古くから鳥のあいだで感染、流行しており、鳥インフルエンザがインフルエンザウイルスの出発点でもあります。この鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザになるには、このウイルスが鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ容易に感染するウイルスになることです。また、最近、新型インフルエンザの出現には、ブタが深く関わると言われています。トリからブタにうつり、ブタの中でヒトにうつりやすい型に変化することで、ヒトで流行する新型インフルエンザウイルスになることがあります。2009年には、ブタを由来とする新型インフルエンザが世界大流行を起こしました。
(A/H1N1pdm09)
A. 2009年に発生したブタ由来のインフルエンザ大流行時と同様に、医療体制の強化、ワクチン接種、感染拡大防止の指針が出ますので、それに従うことになります。なお流行するウイルスの毒性の強弱に応じて各対応も異なると予想されます。個人としては、他のウイルスなどの感染症対策を含めて、日常の「手洗い」や「うがい」、体調の管理などを習慣づけておくこと、また必要時にはマスクを着用したり、外出を控えるべきと思われます。

監修:齋藤 玲子先生

新潟大学大学院 医歯学総合研究科
国際保健学分野教授

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